白内障とは
水晶体は透明で、外界の光を通すレンズの役割を果たしますが、加齢によって水晶体が混濁し、視力が低下する状態を白内障と言います。ほとんどが加齢によるもので、日本人の80歳以上のほぼ全ての人が白内障だとされる程です。その他の原因には、何らかの全身疾患としての症状や薬剤の影響、外傷などのほか、乳幼児に起こる白内障もあります。
白内障は、早期発見・早期治療で視力を回復することが可能です。見えにくくなった、眩しく感じるなど、見え方に異常を感じた際には、早めに当院までご相談ください。
白内障の主な症状
- 視力低下
- 視界がぼやける
- 目がかすむ
- 物が二重、または三重に見える
- 左右で見え方が違う
- 以前より視界が暗く感じる
- 以前に比べて眩しく感じる
- 明るい場所や暗い場所では見えにくい
- 瞬間的に光が見えることがある
- 眼鏡やコンタクトレンズが合わなくなった
など
白内障の原因と種類
白内障は、発症の原因によって以下のように分類されます。
加齢性(老人性)白内障
加齢に伴って水晶体のタンパク質が変質することで、白く濁って白内障を発症します。これは、長年浴びた紫外線の影響もあるとされ、自覚症状が出るのには個人差があります。程度に差はありますが、80代以降の方のほとんどは白内障であるとも言われています。
先天性白内障
生まれつき水晶体が白く濁っている場合は、先天性白内障とされます。遺伝的要因のほか、妊娠中に胎児が風しんに感染するなどが要因となります。発達段階で白内障を発症する場合には、発達性白内障とされます。
先天性白内障は、急激な症状悪化が起こることはないため、病気の進行を観察しながら適切な治療を慎重に行うことが大切です。
若年性白内障
水晶体を包んでいる透明の袋状の組織が濁って起こります。主に、30~40代に多く発症が見られ、昨今では罹患者が増加している傾向にあります。
先天性白内障が進行して発症するケースの他、紫外線やストレス、ステロイド剤の影響、外傷などが原因とされています。
外傷性白内障
交通事故やスポーツによる強い衝撃によって眼球が損傷し、水晶体が白く濁ってしまう状態です。目を強く打ったり、突いたりという強い衝撃の他、野球やテニス、ラグビー、格闘技などでの衝撃によって目がダメージを受けることが原因となります。
白内障の治療
白内障の初期段階は、まだ自覚症状も乏しく日常生活に支障がありません。この時期の治療としては、病気の進行を遅らせる点眼治療が有効です。点眼に加えて、酸化防止や糖化防止のサプリメントを服用することもあります。病気が進行して、日常生活に支障を及ぼす症状がある場合には、人工眼内レンズを挿入する手術治療を検討します。
白内障の日帰り手術
当院では、本院の小江戸眼科内科と連携して白内障の日帰り手術を行っております。
点眼治療を行っても、水晶体の濁りは元に戻すことはできません。このため、白内障の症状が進み、日常生活に支障が及んでいる場合には、水晶体と人工眼内レンズを置き換える手術治療を行います。
手術の際には、点眼による麻酔を行います。水晶体嚢を切開して、水晶体と人工眼内レンズを置き換えます。透明な人工眼内レンズを挿入すれば、視界のぼやけなどの白内障の苦痛症状を解消できます。
日帰り手術のメリット
体力があり、基礎疾患など眼疾患以外の疾患がない方、治療や管理が必要な方以外は、日帰り手術が可能です。慣れない入院生活を送る必要がなく、患者様の心身にも負担がありません。日帰り手術の主なメリットは、以下の通りです。
合併症が起こりにくく低リスク
手術にかかる所要時間は、約15分程です。点眼麻酔を行うため、痛みもほとんどありません。
白内障手術は、安全性に優れて合併症が起こりにくいため、比較的リスクが低い手術です。
時間・経済的負担を軽減
入院加療が必要ないため、入院のためのスケジュール確保や費用負担などがありません。また、単焦点眼内レンズの場合は保険適用のため、手術費用の負担も軽減できます。ただし、多焦点眼内レンズの場合は、レンズの差額と追加で自己負担が生じる選定療養となります。
白内障の日帰り手術の流れ
Step1眼科受診
まずは問診を行い、視力検査、血液検査、眼科疾患の有無、眼底や水晶体の状態などを調べます。普段の生活での見え方や視界の異常について、また基礎疾患の有無、服薬についてなど詳しくお伺いします。
Step2状態の説明・治療方針の相談
問診・検査の結果をご説明します。医師が分かりやすく、丁寧に説明をしながら、患者様と一緒に治療方針を相談させていただきます。検査の結果について、不明な点がありましたら、どうぞお気軽にご質問ください。
Step3手術ご予約
ご自身のスケジュールを調整していただき、手術日を決定していきます。出張やご旅行、運転免許更新の予定などを考慮して、手術のタイミングを決めてください。また、入院加療が必要と判断された場合は、連携する高度医療機関をご紹介しております。
※手術は本院(小江戸眼科内科)で行います。
Step4ご同意
白内障手術は日帰り手術が可能です。安全性が高い手術ですが、リスクについてしっかりとご説明しております。その上で、ご理解とご同意を頂いて手術を行います。
Step5レンズ選択
人工眼内レンズには、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズなど様々な種類があります。それぞれ、見え方などメリット・デメリットがあります。人工眼内レンズは術後そのまま一生涯使い続けることができることから、白内障手術は人生一度きりの手術です。
術前に試すことができませんので、ご自身のライフスタイルに適したレンズを選択する必要があります。患者様の状態から仕事や趣味などに最適なレンズを選択できるよう、丁寧にご説明しております。
Step6手術前の診察・検査
手術前に血液検査と光干渉式眼軸長測定検査を行って、人工眼内レンズの度数を決めます。診察時には、白内障手術における注意点や受診スケジュール、点眼薬の投与方法など、手術についてのご説明を行います。ご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。
Step7手術当日
ご予約の時間より少し早めにご来院ください。白内障手術は、瞳孔を広げた状態で実施します。そのため、手術前処置として散瞳剤による点眼薬で瞳孔を広げ、消毒と洗眼を行います。点眼麻酔をした後に手術を始めます。手術にかかる所要時間は15分程度です。
Step8術後ご帰宅から翌日
術後、少し安静に過ごして頂いてからご帰宅ください。帰宅後は、医師の指示や注意点に十分気を付けてお過ごしください。翌日再度ご来院いただき、術後の経過を観察します。
Step9手術翌日以降
翌日の診察で異常がなければ、その後は次の診察まで感染症などに気をつけながらお過ごしください。通常、術後3カ月通院していただき経過観察します。
手術費用(小江戸眼科本院)
単焦点眼内レンズの場合 | |
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1割負担 | 約14,000円 |
3割負担 | 約40,000円 |
70歳以上の方は窓口での上限があります。
1割負担・2割負担:18,000円以下
3割負担:57,600円以下
それ以上の窓口負担はありません。